経理代行・記帳代行の選び方|小さな会社が依頼先を比べる5つのポイント
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経理を外に任せようと決めても、次に迷うのが「どこに頼むか」です。検索すると依頼先の候補はたくさん出てきますが、何を比べればよいのかは、なかなか分かりません。
この記事では、経理代行・記帳代行の依頼先の選び方として、比べるときに確かめたい5つのポイントと、相談のときに聞くこと・相手の答えで見るところ、依頼先を決めるまでの進め方をまとめます。
結論:同じ質問をして「答え方」で比べる
依頼先を選ぶときは、料金表だけで決めずに、同じ質問をして、相手の答え方を比べるのが近道です。
- 任せたい業務と、今の資料の渡し方を、自社で先に書き出しておく
- 2〜3か所に相談し、下の5つのポイントについて同じ質問をする
- 「できます」だけでなく、どう進めるのかを具体的に説明してくれるかを見る
依頼先には、税理士事務所、経理代行を行う会社、個人の専門家など、いくつかの形があります。税理士事務所なら記帳と申告をまとめて相談できることもありますし、経理代行の会社なら請求や支払いの準備まで任せられることもあります。どれが正解というより、自社が任せたい範囲とやりとりの仕方に合うかで選ぶと、頼んだあとの「思っていたのと違う」を防ぎやすくなります。
経理代行の依頼先を比べる5つのポイント
図1:比べる観点と、相談で聞くこと
比べるポイントは、任せられる範囲、資料の渡し方、税理士との分担、報告の内容と時期、情報の扱いと契約の5つです。どれも、頼んだあとの毎月のやりとりに直結します。それぞれ「相談で聞く一言」と「答えで見るところ」を添えたので、相談のときにそのまま使ってください。
1. 任せられる範囲:一部だけでも頼めるか
「経理代行」「記帳代行」と一口にいっても、引き受ける範囲は依頼先によって違います。領収書や通帳をもとに会計ソフトへ入力する記帳だけを引き受けるところもあれば、請求書の発行、入金の確認、支払いの準備、月次の締めまで引き受けるところもあります。
- 聞く一言:「この業務は範囲に入りますか。範囲外の作業が出たときは、どう扱いますか」
- 答えで見るところ:範囲の内と外の線引きと、範囲外の作業が出たときの扱い(見積もりの出し方など)を、具体的に説明してくれるか
最初は「請求書の発行だけ」「入力だけ」のように小さく始められると、合うかどうかを見極めやすくなります。COANA TOKYOの経理代行・経理業務の改善でも、請求書の発行だけ、入力だけといった一部のご依頼をお受けしています。任せる前に自社で整理しておきたいことは、小規模事業者が経理を外部に任せる前に。経理代行で後悔しないための3つの整理でまとめています。
2. 資料の渡し方:今のやり方のままで回るか
次に確かめたいのが、使う会計ソフトと、領収書・請求書・通帳などの資料の渡し方です。資料は紙の郵送か、写真やPDFでの共有か、銀行やカードの明細の連携か。質問や確認のやりとりは、メール、チャット、オンラインの打ち合わせのどれか。依頼先によって、得意なやり方が違います。
- 聞く一言:「今のやり方(会計ソフト・資料の集め方)のままで頼んだ場合、どこが手間になりそうですか」
- 答えで見るところ:今のやり方の手間を具体的に指摘し、変えるならどう変えるかまで示してくれるか。ソフトの変更をすすめるなら、その理由を説明してくれるか
資料の渡し方が自社の普段のやり方と大きく違うと、頼んだあとに社内の手間がかえって増えることがあります。逆に、明細の連携や共有フォルダなど、資料がデータで集まる形にそろえると、毎月のやりとりが軽くなります。
3. 税理士との分担:申告や税務相談は誰が受けるか
図2:3者の役割分担の例
経理代行と、税理士への依頼は、似ているようで役割が違います。他人の依頼を受けて行う税務代理(申告などの代理)、税務書類の作成、税務相談は税理士の業務とされ、税理士(税理士法人など)でない者は、無償であっても行うことができません。国税庁も、税理士でない者による税理士業務に注意を呼びかけています(2026年10月時点)。
そのため、税理士ではない経理代行に頼むときは、申告や税務の相談を誰が受けるのかを確かめておく必要があります。税務上の具体的な判断は、顧問の税理士にご確認ください。
- 聞く一言:「税務の質問が出たときは、どうなりますか。顧問の税理士とは、月次のデータや決算の資料をどう共有しますか」
- 答えで見るところ:税務の質問は税理士に回す、という線引きをはっきり言えるか。税理士との資料の受け渡しの方法と時期を具体的に説明できるか。顧問の税理士がいない場合に、紹介してもらえるか
4. 報告の内容と時期:何を、いつ受け取れるか
経理を任せたあとも、毎月の数字を見て判断するのは経営者自身です。依頼先から、どの数字を、いつ、どの形で受け取れるかを確かめておきましょう。
- 聞く一言:「月次の締めが終わったら、何を、いつ、どんな形で報告してもらえますか」
- 答えで見るところ:売上・利益・手元の資金など、報告の中身を具体的に示してくれるか。報告の時期の目安と、そのために資料をいつまでに渡せばよいかをセットで説明してくれるか
報告の形が合わないと、任せたあとに数字を見なくなってしまうことがあります。会計ソフトの画面で見るのか、PDFで受け取るのか、オンラインで説明を受けるのか、自社が続けやすい形を選びましょう。
5. 情報の扱いと契約:権限と、範囲の見直し方
経理を任せると、通帳や取引先との請求書など、会社の大切な情報を外に渡すことになります。あわせて、業務の量や範囲が変わったときに、契約を見直せるかも大切です。
- 聞く一言:「秘密保持契約は結べますか。会計ソフトや銀行の画面へのアクセスは、どこまで必要ですか。範囲を変えたいときは、どうすればよいですか」
- 答えで見るところ:秘密保持契約を結べるか。アクセスを必要な権限に絞る提案があるか。資料の保管場所と、範囲や契約の見直しの手順を説明してくれるか
最初は一部だけ任せて、慣れてきたら範囲を広げる、という進め方ができると安心です。
依頼先を決めるまでの進め方
図3:依頼先を決めるまでの流れ
まず、任せたい業務と、今の資料の渡し方を書き出します。次に、2〜3か所に相談し、5つのポイントについて同じ質問をします。同じ質問をすると、答えの違いがそのまま比べる材料になります。
依頼先が決まったら、いきなり全部を任せるのではなく、一部の業務から始めて、数か月ごとに進め方を見直します。始めてみて分かることも多いので、見直しの機会を最初から決めておくと、無理なく範囲を広げられます。
相談のときに使うチェックリスト
相談のときに、そのまま使える確認項目です。
- [ ] 任せたい業務を書き出し、依頼先の対応範囲に入っているか確かめた
- [ ] 一部の業務だけでも頼めるか、範囲外の作業の扱いを聞いた
- [ ] 今の会計ソフトと資料の集め方のまま頼んだ場合の手間を聞いた
- [ ] 税務の質問は誰が受けるのか、顧問の税理士との資料の共有の仕方を聞いた
- [ ] 毎月どの数字を、いつ、どの形で受け取れるか確かめた
- [ ] 秘密保持契約とアクセス権限の範囲、資料の保管場所を確かめた
- [ ] 契約の期間と、業務の範囲を途中で見直せるかを確かめた
- [ ] どの相談先にも同じ質問をして、答えを書き留めた
依頼先選びでよくある失敗
相談先ごとに違う質問をして、答えを比べられない
思いついたことをその場で聞いていると、相談先ごとに聞いた内容がばらばらになり、あとで比べられません。聞くことを先に紙に書き出し、どの相談先にも同じ順番で聞いて、答えを書き留めておきましょう。
税理士との資料の受け渡しを決めずに始める
経理代行に頼めば申告まで済むと思い込んでいたり、税理士との受け渡しを決めていなかったりすると、決算の時期に資料がそろわず慌てることになります。月次のデータや決算の資料を、誰が、いつ、どの形で税理士に渡すのかを、始める前に決めておきましょう。
権限を確かめずに、通帳やソフトの画面を丸ごと渡す
急いで始めようとして、ネットバンキングや会計ソフトのログイン情報をそのまま渡してしまうと、誰が何を操作したか分からなくなります。秘密保持契約を結び、閲覧だけの権限など、必要な範囲の権限を用意して渡すようにしましょう。
まとめ
経理代行・記帳代行の依頼先は、料金表だけでなく、同じ質問をしたときの答え方で比べるのが近道です。任せられる範囲、資料の渡し方、税理士との分担、報告の内容と時期、情報の扱いと契約の5つを、2〜3か所に同じ質問で確かめましょう。決めたあとは一部の業務から始めて、見直しながら範囲を広げていくと、無理なく定着します。
経理代行の依頼先を比べている方へ
COANA TOKYOの経理代行・経理業務の改善では、記帳・請求・入金確認・支払いの準備・月次の締めなど、必要な範囲だけをお引き受けしています。税務申告などの税理士業務は行わず、顧問の税理士と連携して、決算に必要な資料がそろうように日々の経理を整えます。対応できる業務や、ご利用までの流れはサービスのページでご紹介しています。
「どこまで任せられるか聞いてみたい」「比べる材料として話を聞きたい」という段階でも、ご相談ください。ご相談・お見積もりは無料、全国オンラインで対応しています。お問い合わせフォームからお気軽にお送りください。
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執筆:衣鳩 翔太(COANA TOKYO合同会社 代表)
※一般的な考え方の説明です。税務上の判断は顧問の税理士にご確認ください。